ジャガトに初入荷のキルホーマンです 『キルホーマン2008 7年』
これまで何回も『キルホーマン置いてますか?』『キルホーマン何かください?』とのオーダーがありましたが、仕入れたことはありませんでした
スコットランド最西に2005年に創業したキルホーマン蒸溜所はアイラに124年ぶりに誕生した蒸留所です
19世紀のアイラ島では一般的であったファームディスティラリー(農場蒸溜所)だそうで、使用する麦芽の一部は自家栽培のものだそう 使用するピートももちろんアイラ島産でフェノール値は50ppmと非常にピーティです蒸溜器は初溜2700L、再溜1500Lと非常に小さく、年間生産量はわずか9万Lほどです
2000年にアイラを訪れたとき、車で廻った一番西でブリックラディ蒸留所でした しかも閉鎖中でかなり物寂しかった記憶があります 一帯も住宅などもほとんどみない感じの閑散とした雰囲気でそこから更に西に蒸留所ができるなんて想像もしてませんでした
なので、『創業2005年、アイラ島に124年ぶりに誕生した蒸溜所』のキルホーマンにはずっと注目していましたし、いくつかのボトルは試飲、他店での飲みなどで味を確認していたのですが・・・
仕入れなかった理由としては、やはり若い!リリースされてきたのは3年、4年、5年など・・・カスクのものなどは面白いものもいくつかありましたが、コストと味のバランスが個人的には「これをお客様に飲んでもらおう」という感覚にならないままでした
あくまで、個人的な感覚ですが5〜8年未満の熟成年数のモルトウイスキーに面白さは感じても美味しいと思うことがあまりありません 熟成が長ければいい、というのではないのですがバーボンなどと比べると短熟のものにそれほど魅力を感じたことが無いのが事実です また5年熟成のカスクストレングスでも1万越え、といったクラフトディスティラリーならではの高値も買いを躊躇した要因でした
で、今回も仕入れをどうしよう、もう1,2年待ってもいいかな、とずっと迷っていたのですが、これまでで最長熟成期間の7年熟成、「バーボンバレル、46度詰め」というハウススタイルをしっかり感じられるようなボトリングでしたので仕入れてみました
今回仕入れた「キルホーマン2008 7年バーボンバレル」はすべて「バッファロートレース」のバーボンバレルで熟成されています
輸入元テイスティングコメントは
「色は艶のあるハニーゴールド 香りは柔らかなピートのアロマを伴い、レモンシトラス、コクのあるソルティーなバタースコッチ 味わいはとても柔らかく、ピーチシロップ、仄かに潮を帯びたピートスモーク、ミントと麦芽の心地よいアクセント アフターにスモークを伴ったバニラの甘みが広がります」とのこと
飲んでみて・・・
香りで結構驚きました 7年熟成で想像する感じとは全く違います 若い原酒にある麦芽ぽさやスピリッツ感を全く感じず、ピートスモークとフレッシュフルーツの香りがいいバランスです また、バニラとモルティさの少しざらっとした甘みと潮気のあるオイリーさもちょうど良く、飲み疲れしない美味しいモルトウイスキーに仕上がっていると思います アフターのピートの残り方もちょうどいいです
これまで短熟カスクストレングスのキルホーマンを飲む機会が多かったからかも知れませんが今回の46度詰めという度数も今のキルホーマンを美味しく味わうちょうどいい度数に感じました また、やはりキルホーマンはバーボンカスクのほうがより好みの味になるな、と改めて思いました
1ショット ¥1400 7年熟成、46度詰めにしてはお高くなります が、楽しめるウイスキーです 124年ぶりのアイラのニューカマー 是非お試し下さい